5世紀にわたる神秘の祭り
岩手県黒石寺の黒石裸祭(蘇民祭)、大阪市四天王寺のどやどやと並ぶ日本三大奇祭のひとつが、この西大寺観音院の境内で行われる西大寺会陽(はだかまつり)。
500年を超えて今に伝わるこのお祭り、真夜中に御福窓から住職によって投下される2本の宝木をめぐり約9000人の裸群が激しい争奪戦を繰り広げます。そしてうまく手に入れた者は福男と呼ばれ、その年の幸福が約束されます。
西大寺会陽と「笹の葉せんべい」
江戸時代末期の頃、この西大寺会陽の日に、錦絵とともに「笹の葉せんべい」も売りにだされていました。それが参詣人に好評となり、その後改良を加え、素朴な風味となったのが今日の「笹の葉せんべい」です。
岡山三大河川「東の大川」
吉井川は「東の大川」とも呼ばれた岡山県の三大河川のひとつ。中国山地の三国山を源に岡山県東部を南流し、下流域では西大寺地域のほぼ中央部を流れて児島湾に注いでいます。
この下流域は早くから文化が開け出雲地方と近畿を結ぶ交通の要路となり高瀬舟の利用とあいまって古くから栄えてきました。
吉井川の発展に貢献した水運
高瀬舟とは、川や浅海を曳舟や帆走する船底の平らな木造船のことで、岡山県下の水運として、鉄道が通じるまでは重要な交通路の役割を果たしていました。
また高瀬舟をつなぐために榎(えのき)が植えられたといわれ、そのなかでも岡山市西大寺中三丁目(旧北之町)、清水橋付近にある榎は「浜倉の榎」と呼ばれています。